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柿の木便り

健康で美しい心身を自分で整え、誰よりも「自分の味方」になるメソッド 〜YumiCoreBodyの芯〜

 

六本木、麻布十番、新宿、大阪梅田にスタジオを構え、美と健康を両立させるボディメソッドを伝える「YumiCoreBody」を展開するYumicoさん。幼い3人の子どもを育てながら35歳から一歩を踏み出し事業を育ててきた背景には、どんな道のりと想いがあったのか。「明日 わたしは柿の木にのぼる」代表の小林味愛が聞き手となって、Yumicoさんのこれまでの歩みを振り返りながら、健康で美しい心身を自分で整え「自分の味方」になるメソッドを紐解きます。

 

TOKYO創業ステーション TAMA STARTUP HUB TOKYOで開催されたイベント「いくつになってもチャレンジする生き方」の内容をお届けします。

 

 

 

自信をつけるために。世の中の“隙間”を見つけて始めた最初のビジネス

 

──モデルから産後のママまで、常に超満員、大人気のYumiCoreBodyですが、Yumicoさんはそもそも起業をする前、どんなことをされていたのですか?

 

いつも身体のことばかりで自分の人生について話す機会はほとんどないので、慣れないですね(笑)。学生時代から振り返ると、中高一貫校から短大に進学したんですが、勉強とか部活やサークルに励むより友だちと遊ぶことが好きで、何か一つのことに打ち込んだ経験はないです。今の仕事につながるエピソードを挙げるとすれば、女子校で仲のいい10人グループの子それぞれに似合う髪型やメイク、服装をよく提案していました。今思えばこの頃から、自分だけでなく、誰かの魅力が引き出されてきれいになっていくことに喜びを感じていたんだと思います。

 

とにかく好奇心旺盛で、短大時代は、年上の社会人、起業家やスポーツ選手、研究者など何かに秀でたスペシャリストに会いに行って話を聞いていました。人と違うことをしたいという気持ちはあったけど、勉強ができたわけでもないし、何か特別な才能もなければ、やりたいこともない。結局就職は親に言われるがまま、自動車業界に入り車の販売営業をしていました。でも正直やる気も出なかったし、何かで起業したいという気持ちは持っていましたね。

 

そんな中、ドイツに詳しい父が、自然な眉を刺青のように描く「アートメイク」が流行っていると教えてくれて。当時22歳、20年以上前のことなので、日本にはまだ入ってきてなかった。世の中にはモノも情報も技術もあるけど、どこかに隙間があるはずだと目を光らせていて、当時はその隙間がこれだ!と思ったんですね。会社を辞めて、ドイツにアートメイクを学びに行って必要な機器を購入して、事業を始めました。

 

 

24歳の頃のYumicoさん)

 

その背景には実は、失恋があって。当時付き合っていた彼に婚約破棄されて、結構稼いでいる人だったので、この傷を乗り越えるためには、ほかにいい人を見つけるより、私が彼より稼いで自信をつけるしかないと思ったんですね。失恋がいいパワーになって、日本にアートメイクを持ってきてビジネスが回るようになりました。でも、次第に規制が入ってアートメイクが医療行為に限定されるようになった頃に、子どもが産まれたので、専業主婦になりました。

 

 

100人の生徒と、家族の危機。YumiCoreBodyの誕生秘話

 

──へえ!ご自身でビジネスをされていて、出産をきっかけに専業主婦になることに抵抗はなかったですか?

 

なかったですね。もうこのビジネスはやりきったと思えたので。その後、子どもが2歳差で産まれたので、当時はとにかく3人の子育てに一生懸命で、仕事のことを考える余裕はなかったです。

 

──そこからどんな思いが芽生えてYumiCoreBodyの立ち上げに至ったのでしょう。

 

仲良くしていたママ友が、小学校になると時間ができるから社会復帰できるように今から準備をしていると話していて、私もずっと専業主婦ではなく、子育てが落ち着いたら社会人として生きていたいなとぼんやり思っていました。でも何も準備ができないまま時は過ぎていって……。たまたまヨガ講師をしているママ友にヨガを教わる機会があって、参加したら、全然できないんですよ。35歳のその頃まで、ほとんど運動はしたことなかったので足が開かない。3人産んだ体は、胸は垂れ下がりお腹はぽっこり。このままではまずい!と思ったタイミングで、ママ友のつながりでコアトレーニングのクラスがあることを知って週1ペースで参加するようになったんです。

 

私は究極のめんどくさがり屋で飽き性で怠慢な人間なんですが、身体を動かしているのが気持ちよくて、お腹も引っ込むしメンタルも前向きになったので、続けられた。お茶しているより身体を動かしたほうがいい!と友人たちも誘って1年ほど通っていたんですが、とある事情でそこに通えなくなっちゃって。どうしよう!と焦ってほかの教室も探したんですが、なかなか見つからない。そしたら友だちに「Yumicoがやればいいじゃん?」って言われたんですよ。

 

最初は友だち3人を自宅に招いてコアトレをやっていたんですが、その友だちが友だちを誘って、気づいたら通う人たちが100人くらいになったんですよ。その間、実地・座学ともにいろんな先生に習って、整体技術やインナートレーニング、ピラティスなどを習得しました。その中である先生が「くびれをつくるには膣が重要」と言っていて、これだ!とピンときて。自分はもちろん通ってくれる人たちにもどんどん変化が現れてきて、身体のメカニズムがわかり、現在のYumiCoreBodyにつながる独自メソッドが生まれていったんですね。

 

 

──そこから店舗をオープンし、本格的なビジネスを始めるのに、何かきっかけがあったのですか?

 

実は、今だから言えることなんですが、当時夫の会社が倒産したんです。これまでの生活ができなくなるとある日突然告げられて、引っ越さないといけないし、幼い3人の子どもたちの学費も必要になる。頭が真っ白になると同時に、自分が子どもたちを守らなければいけないと強く想いました。私が稼いで家族の生活を守っていかないといけない。この経済的な困難がなければ、コアトレも友人に教える趣味の範囲に止まっていたかもしれません。

 

 

「できる」と信じ込むために努力もする。他人の評価軸ではなく、自分で自分を讃えられるように

 

──まさにピンチをチャンスに変えられたんですね。ビジネスを始めて5年、大変だったこともあると思うんですが、Yumicoさんなりの乗り越え方があれば教えていただきたいです。

 

ビジネスを始めた頃、夫の会社は倒産していたし私は専業主婦だったので社会的信用が低く、なかなか場所を借りることができなかったんですよ。YumiCoreBodyは階段が抜けちゃうようなボロアパートから始まった。何の知識も実績もない頃から私を信じてくれた生徒さんやトレーナーには感謝しかないです。

 

 

こう見えて私も結構つらい経験もしてきたし、日々悩んだり落ち込んだりすることもあります。でも心がけているのは「できる」と思い込むこと。言霊はあると思うんですが、思ってもいないことを言葉にしても意味がなくて。「できる」と信じ込むために、努力をする。ボディメイクも、ゼロから始めた私が「できる」と信じ込むために、自分の身体で研究しながら実践を重ねて本当にできるようになった。

 

今でもトレーナー仲間が独立して辞めていくときは、大事な存在であるからこそ、ダメージは受けます。でも最近は、YumiCoreBodyを離れてもきっと同じ方向を見ていて、誰かの身体を改善して幸せな人を増やしていく仲間なんだと思えるようになった。困難なことにぶち当たったときは、そうやって心の持ち方を変えて乗り切っています。

 

──考え方をポジティブなほうへと変換されるんですね。

 

何事も「他人軸」ではなく「自分軸」で考えた方がいいと思うんです。私も以前は、自己肯定感を上げるために他人に評価されたいって思っていました。でも他人の評価は、人気が出れば持てはやされるし、人気が落ちてきたら見向きもしなくなる。そういうものなので、他人の評価によって自分が揺らぐ必要はない。他人からの評価で自分を決めず、人と比べずに自分の芯を持つこと。努力もして、自分で自分をすごい!と思えるようになることが大事だと心から思っています。

 

──Yumicoさんは生徒さんの味方であると同時に、誰よりも自分の味方でありますよね。私もサラリーマン時代は、他人の評価軸で生きていて、会社で評価されるために長時間労働をして心身の体調を崩したことがあります。自分がどうしたいかもよくわからなかったけど、事業を始めてから自分の軸を持てるようになって、生きやすくなりました。

 

 

もっと勝手でいい。健康で美しい心身を自分で整えていくために

 

──Yumicoさんの1日のスケジュールを教えていただけますか?多忙な毎日、どうやって仕事と子育て、ご自身の心身のバランスをとっているのか気になります。

 

スケジュールは日によって違うんですが、忙しい日は朝9時半から夕方までレッスンをして、帰宅して子どもの習い事の送り迎えやご飯をつくって、そこからまた夜レッスンに行くこともあります。あえてレッスンを入れない日をつくっているんですが、Instagramの質問に応えたり勉強したりトレーナーとランチに行ったり、結局仕事に関わることをずっとしていますね。

 

仕事と育児の両立はできているかはわかりませんが、1日の中で必ず子どもたちとコミュニケーションを取る時間はつくるようにしています。送り迎えをする車の中で話すとか。物理的な時間で言えば、仕事のほうが割合が多いけど、子どもたちと会話をする時間をちゃんと持つことで、両立を目指している感じです。

 

家事育児は完璧じゃなくていいと思うんですよ。洗濯物が散らかっていてもいいし、ごはんは毎日手づくりじゃなくてもいい。私はよく「ママ今日疲れちゃったから、外食でいい?」とか素直に伝えています。子どもたちにも完璧じゃない人の弱さを許せるようになってほしいですし。親が気を抜いて完璧じゃない方が、人の弱さを受け止めるやさしい子どもの心が育つんじゃないかと。

 

「子育てに追われて時間がない」とよく言いますが、自分のために時間を使わないと、心身が追い込まれてしまう。もう今日はいいや!好きなことしようって、お母さんたちはもっと勝手でいいと思いますよ。

 

 

──気が楽になりました。最後に、Yumicoさんの今後の展望をお聞かせいただけましたら。

 

私の生きる喜びはやっぱり、目の前にいる人が心身が変わってイキイキと輝き自分を好きになれる瞬間に立ち会うこと。ボディメイクを通じて、なりたい自分になる手助けをしたい。自宅で友人を招いていた頃から今も変わらず、根本にはずっとそうした想いと喜びがあります。生徒さんの“カラダは変わる”“カラダを通じて心も変わる”、誰よりもそう信じて、レッスンに熱意を注いできました。

 

YumiCoreBodyでパニック障害から抜け出せたとか、マインドや暮らしが変わったというコメントを多くもらうんです。私は、不調がなくて健康でキレイな状態が一番いいと思っていて。呼吸を整えて膣を鍛えて骨から姿勢を変えていくことで、心身ともに不調がなくなって健康で美しくなっていく人の姿に喜びを感じます。

 

私はこれからも健康と美を両立できるメソッドを提供し続けていきたい。今は、産後の女性が生徒さんに多いんですが、子どもやお年寄り、働き盛りの男性も、老若男女あらゆる人が自分の身体を自分でケアできる世の中にしたい。肩こりと腰痛はストレッチと運動で対処できるし、姿勢を正すだけで見た目だけじゃなく、血が巡って内蔵機能が回復して内側から美しくなる。不調をなくして病気を予防し、健康で美しい心と体を自分でつくっていけることを、一人でも多くの人に伝えて体験してもらいたいです。

 

──Yumicoさんのお話を聞いていると自分の中に前向きな気持ちが生まれて、だからこそYumiCoreBodyは多くの人に支持されるんだなと体感しました。オンラインでも体験できるとのことで、私も参加してみたいです。今日はありがとうございました!

 

text by 徳 瑠里香

Yumicoさん
YumiCoreBody代表

六本木・麻布十番・新宿・大阪梅田にて セルフ整体で骨を変える美ボディメソッド 「YumiCoreBody(ユミコアボディ)」 の代表をつとめ、”くびれ母ちゃん”の愛称で知られる。35歳まで子供を3人育てるぽっちゃり専業主婦だったが、独自に整体技術・インナートレーニング・ピラティスなどを習い、 他にはないオリジナルのYumiCoreメソッドを開発。 肩こりや腰痛・便秘がなおったりとカラダが楽になる上に、きつい食事制限も必要なく、健康と美ボディを手に入れられるメソッドが大人気なYumiCoreBodyは常に超満員! 女優やモデルからも多くの支持を得ています。『スッキリ』や『ぴったんこカンカン』などTVでも超話題のメソッド、 現在『下腹ペタンコ神ブレス』がAmazon総合1位を獲得。他にも『膣締めるだけダイエット』など合計7冊出版しており、著者累計50万部。


http://yumicorebody.com
https://www.instagram.com/yumicorebody/