Web Magazine
柿の木便り
やさしく生きるって、むずかしい。でも、たのしい。 〜女性たちと語り合った大阪万博でのひととき〜

こんにちは。代表の小林味愛です。
2025年5月9日(金)、大阪万博のウーマンズパビリオン「WAスペース」にて、美容家の吉川千明さんとご一緒に、「これからの女性の人生を考える」というトークセッションに登壇しました。
今回はそのセッションの様子を、少しだけ補足しながら、私自身のこれまでの歩みや思いも織り交ぜてお届けしたいと思います。
ウーマンズパビリオンという”場”
私たちが登壇した「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」は、内閣府、経済産業省、リシュモンジャパン カルティエ、博覧会協会などが共同で出展している、女性の視点と経験を真ん中に据えた特別なパビリオンです。
掲げられているのは
「When women thrive, humanity thrives〜ともに生き、ともに輝く未来へ〜」
という力強いコンセプト。
性別を問わず、すべての人が対等に、互いを尊重し合いながら生きられる社会へ。
女性が自分らしく輝けるようになったとき、それは人類全体の希望につながる。
そんなビジョンを持ったこの空間には、思いに共鳴する人たちがたくさん訪れていました。
パビリオンの詳細はこちらからご覧いただけます。
https://womenspavilion.cartier.com/ja
道なき道を切り拓いてきた、先人たちのこと
セッションの前半では「女性のキャリアと人生」というテーマで、吉川千明さんと私、それぞれのこれまでの道のりを振り返りました。
吉川さんが大学に進学された当時、女性の進学率はわずか5%。
「女の子が大学に行くなんて」と言われるような時代だったといいます。
それでもご自身の意志で大学へ進学し、卒業後はリクルートに入社され、その後出産と同時に起業。

当時は女性が働きながら母になることも、起業することも、決して“普通”ではなかった時代です。
でも吉川さんは、悩みながらも、何度も壁にぶつかりながらも、自分の信じた道をあきらめずに歩き続けてきた。
その生き方には、いつも深く心を揺さぶられます。
「何度も聞いてきた話なのに、毎回、涙が出てしまうんです」と、会場でも正直にお話ししました。
吉川さんの人生については、こちらの記事に詳しくまとまっています。ぜひご覧ください。
https://ashita-kaki.com/blogs/webmagazine/210714
私たちが今、働き、生きていけるのは、こうして一人ひとりが道を切り拓いてくれたから。
そのことを、立ち止まって何度も思い返したいと思います。
私の歩んできた“ちぐはぐな道”
一方で私はというと…実は高校時代は、ばっちりギャルでした!笑
部活動を引退してからはメイクも髪色も自由に楽しんで、放課後はプリクラに行って、そんな青春時代。
けれど現役では大学に一つも受からず、1年間の浪人生活へ。
英語がだんだん楽しくなり、勉強にのめり込むようになってから、なんとか大学へ進学できました。
その後、国家公務員として働く道を選び、やりがいも感じていましたが、
東日本大震災をきっかけに、ある種の焦りのようなものが心の中に芽生えました。
テレビや新聞の向こうで起きていることに、ただ無力感を抱くのではなく、
「自分にも、できることがあるなら役に立ちたい」
そんな素朴な思いに背中を押されて、福島県に移住し、起業することを決意しました。
最初は桃を自分でトラックに積んで、東京で一つひとつ手売りするところからのスタートでした。

ビジネスの知識も経験もなく、失敗の連続。でも、少しずつ仲間ができて、気がつけば子どもにも恵まれ、今は「できないことはできない」とちゃんと認めて、自分らしく暮らせるようになってきました。
だから、「ちゃんとした人生」なんて存在しないんだと思います。
ちぐはぐでも、転んでも、それでも一歩ずつ歩んできた道こそが、その人の物語になるのだと、今は思えます。
女性のからだとキャリアの関係を見つめ直す
後半では、「女性の健康とキャリア」をテーマにお話しました。
生理や妊娠、出産、更年期など、女性のライフサイクルのなかには、身体の変化が何度も訪れます。
でもそれが、どんなしくみで起きているのか、どうやって支えていけばよいのか――。
意外と知らないこと、話しにくいと感じていることが、たくさんあります。
「こんな話、ちゃんと聞いたのは初めて」「なんとなくスルーしてたけど、これ大事なことだったんだ」と、会場で何度もうなずいてくださる姿が見えました。また、イベント終了後に声をかけてくれて身体の悩みを打ち明けてくれた方々もいました。
その空気感がとてもあたたかくて、胸がじんわりしました。
そして、会場の中にはお客様のお顔も、、、嬉しくて、ありがたくて。
忘れられない、ひとつの問いかけ
質疑応答の時間には、会場からさまざまな声が寄せられました。
その中で、特に印象に残っているのが、20代の女性からの質問です。
「どうして女性ばかりが、家事も育児も仕事も、全部やることを求められるんでしょうか。正直、つらいです。」
その言葉に、私もただただうなずくしかありませんでした。
頑張ることが当たり前になってしまっているこの社会で、「つらい」と声をあげることも簡単ではない。
でも、それを聞いて思ったんです。
だからこそ、私たちの世代が少しでも社会を変えていかないといけない。
先人たちが道を切り拓いてくれたように、私たちも次の世代のために、できることをしていきたい。
声をあげること、自分を守ること、それが当たり前の世の中になりますように。
やさしさを、循環させていくということ
でもね。
どんなに思いがあっても、ずっと張りつめたままでは、誰だって苦しくなってしまいます。
だから時には、力を抜いて休んでほしい。
ぼーっと空を見上げたり、おいしいごはんをゆっくり味わったり、自分をまるごと抱きしめるような時間を過ごしてほしい。
自分を大切にできる人は、きっと人にもやさしくできるから。

私たちの会社の根っこには、福島の生産者たちからもらった“やさしさ”があります。
それは、お金では測れない、人と人のつながり。
そのぬくもりを、これからも商品やサービスを通して届けていきたいと思っています。
少しでも、この日のトークセッションが、
「なんだか、人生っていいかも」
そんなふうに思ってもらえるきっかけになっていたら、嬉しいです。
そして、これからも私たちは
やさしさがめぐるブランドであり続けたいと願っています。

今日という一日が、あなたにとって、やさしいものでありますように。
text by 小林 味愛

小林味愛 (こばやし みあい)
株式会社陽と人 代表取締役
1987年東京都立川市生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、衆議院調査局入局、経済産業省出向。その後、株式会社日本総合研究所での勤務を経て、2017年に福島県国見町に「農産物の流通・6次化商品開発・ 地域づくり」を行う株式会社陽と人を設立。現在、東京都と福島県の2拠点で活動を行なっている。 https://hito-bito.jp/