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パートナーと一緒に考えたい、お互いのカラダのこと【ヘルスアンドライツ吉川雄司さん Interview(後編)】

2020.08.31

デリケートゾーンから知る、わたしの心とカラダ

健やかな日々を過ごすために、パートナーに生理のことを伝えるなど、お互いのカラダのことを知ってもっと歩み寄っていきたい。でも、どうやって?

 

「生理はヘルスケア」という思想のもと、生理周期の記録だけでなく健康管理やパートナーとの共有ができる生理管理アプリ「ケアミー」を展開する株式会社ヘルスアンドライツ代表・吉川雄司さんに話を聞きました。

 

理解してもらうために、パートナーや職場にどう働きかけていけばいい?

 

 女性が生理痛を我慢するのは良くないという話がありましたが、家庭で暮らし職場で働くなかで、我慢したくなくても我慢せざるを得ない状況に置かれてしまうこともあると思います。理解してもらうために、パートナーや職場、社会に女性から働きかける場合、どうアプローチすれば良いのでしょう?

 

吉川:パートナー間と職場などの社会に対しては、アプローチ方法が変わってきますよね。

 

まず、パートナーに伝える場合。男性は何も知らないピュアな状態なので、本当に基本的な生理の知識を伝えることからはじめると理解しやすいと思います。

 

たとえば、「生理ってね、基本的には28日周期で、1回あたり5日間くらい経血が出て、その量が多いとつらい。うんちするときに気張るのと同じように子宮も気張るから、痛くなるんだよ。ホルモンが働きかけているから、ホルモン量が増えてイライラもするんだよね。あなたが嫌いでイライラしているわけじゃなくて、自分でもコントロールできない。だから生理中はそっとしておいてね」といったように。

 

生理のつらさやそのときにしてほしいことは人によって違うので、自分の生理について女性から基本的な知識を伝えてもらうと、男性パートナーも歩み寄りやすいはずです。

 

なるほど。職場などで伝える場合、アプローチ方法は変わってきますか?

 

職場などでは、生理についてオープンにするかどうかについては個人の自由で、僕はわざわざ生理であることを公表しなくてもいいと思っています。というのも、生理に伴う眠気や腹痛、イライラは、女性のカラダのメカニズムの中で起きている体調不良です。生理だけを特別視、タブー視しなくても、体調不良として扱えばいいと思うんです。

 

職場で上司や同僚に、生理がある女性のカラダのメカニズムとしてそうした症状が出やすいことをある程度理解してもらうことは大事だと思います。ただ、わざわざ生理だと言わなくても「毎月パフォーマンスが出ない時期、集中力が持たなくなるときがあります」とだけ伝えればいいんじゃないかなと。僕の知り合いの女性は毎月PMSが始まる3日前に社内チャットで「ここ数日間は私に重要な意志決定させないで」と送っていました。体調が悪くなりがちだと共有できれば、お互いに仕事がやりやすくなりますよね。

 

パートナー間でも社会の中でも、生理の問題は、“女の子の秘め事”ではなく、“人として健康に生きていくためのヘルスケア管理”だと捉えられると良いなと思っています。

 

誰にも、性や生殖にまつわる健康を守る権利があることを知る

 

パートナーに一度生理について伝えたあと、毎月生理日を伝えるのもなかなか億劫です。その点、ケアミーを使ってペアリングすると、パートナーにLINEで生理日を伝えてくれますね。

 

ケアミーは、生理管理アプリではあるけれど、男性も女性も健康管理として接することができるように設計しています。だから、デザインも生理・妊娠関連のものに多いファンシーなピンクではなく爽やかなグリーン。男性パートナーのスマホやLINEにアイコンがあっても違和感がないと思います。

 

ケアミーが目指すのは、生理の悩みや不安に寄り添って、女性の健康管理をもっと滑らかにすること。大事に至る前に正しい知識を持って、困ったときにはいつでも情報や医療にアクセスできるように。ケアミーが広がった結果、ヘルスケアとして、生理への向き合い方が変われば、女性のエンパワーメントにもつながると思っているんです。

 

ほお。そもそも吉川さんがケアミーを含む事業を立ち上げたのは、何かきっかけがあったんですか?

 

シンプルに社会に対する違和感です。幼い頃から父親と同じように働いていた母親が感じていた社会に対する違和感の話を聞いたし、僕自身も大学時代、女性の割合が7割くらいの学部にいたんですが、就職活動のときにやっぱりフェアじゃないと感じました。僕には妹が2人いて、大学時代から付き合っている彼女が今の妻なんですが、彼女たちがこれから先もこの違和感を抱く社会で生きていくことが単純に嫌だったんです。その違和感をなくしていくために自分にできることをしたいと思ったのが始まりです。

 

 すばらしいですね…!

 

当初は、社会的なニーズも感じて、不妊治療の当事者をサポートする事業を運営していました。当事者にヒアリングをしていくなかで、女性が働くことが当たり前になって結婚や出産年齢が高くなっている今、女性が望むキャリアプランを実現できてないことに気づきました。「もっと早く性に関する正しい知識を知りたかった」という声も多く聞きました。

 

前職のワンキャリアではさまざまな人のキャリアサポートをするなかで、スキル論やキャリア論はあふれているけれど、生殖機能を考えたキャリアプランは浸透していないことに課題意識も持っていたんです。

 

そうした不妊治療の課題に長期的な目線で取り組むには、キャリアをこれから築いていく若い世代に、性にまつわる正しい知識を伝えるアプローチすべきだと考えるようになりました。

 

そこで、会社のミッションを「正しい知識を、適切なタイミングで得られるようにすること」にしたんです。そして、SNSでの発信に力を入れつつ、産婦人科医監修の性にまつわる正しい知識を届けるメディア「Coyoli」をスタートしました。Coyoliは問題が顕在化した人たちに正しい知識を届けるメディアです。その一方で、問題が顕在化する前に、1人ひとりの行動データに合わせて必要な情報を届けたいと、生理管理アプリ・ケアミーを開発しました。

ケアミーでは、それぞれの生理周期に合わせた情報を届けるようにしています。月経期には生理痛や貧血、卵胞期にはおりものや不正出血、黄体期はPMSや眠気といったように。

 

ケアミーで生理や心とカラダの情報を記録することで、自分の状況にあった正しい情報が得られる仕組みなんですね。

 

はい。ケアミーをはじめ僕らの事業の思想の根底にあるのは「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」という概念です。性や生殖にまつわる健康、権利を担保すること。パートナー間でも、社会の中でも、誰もに性や生殖に関する健康を守る権利があることを伝えていきたい。ケアミーを「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」を実現する存在に育てていきたいと思っています。

 

ケアミーの一ユーザーとしても、この社会で働き暮らす1人の人間としても期待しています。パートナーと、そして社会と歩み寄っていくために大切なことは、自分たちに“性や生殖にまつわる健康を守る権利”があることを知ることが第一歩になるのだと感じました。ありがとうございました!

 

 

*ケアミーの詳細・ダウンロードはこちらから。

 

(おわり)

吉川 雄司(よしかわ ゆうじ)さん

著書「やさしく 正しい 妊活大事典」(プレジデント社)。生殖機能に関する正しい知識の普及、妊活・不妊治療に取り組む方のサポートを目的とした事業を運営する株式会社ヘルスアンドライツの代表取締役。日テレやTBSなどの番組出演、新聞やメディアへの掲載多数。

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