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柿の木便り
女性のねむりと、わたしのリズム 〜ライフステージとともに変わる、女性の睡眠とからだのこと〜

眠ることは、わたしたちの心とからだを整えてくれる大切な時間。
けれど、年齢とともに「いつも通り眠れない」「すっきりしない朝が増えた」など、変化を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は女性のねむりは、ライフステージごとに大きく変化します。
その背景には、女性ホルモンのリズムや、心やからだの移ろいが深く関わっています。
今回は、思春期から老年期までのそれぞれの時期にあらわれやすい眠りの変化を、やさしく紐解いてみたいと思います。

思春期(8歳頃〜18歳頃)
成長のまっただなかで、眠りにも揺らぎが生まれるとき
10歳頃からエストロゲンの分泌が始まり、体つきや感情、心のゆらぎにも変化があらわれはじめるこの時期。
月経の開始とともに子宮や卵巣が育ち始めますが、機能はまだ不安定で、周期の乱れや月経痛などに悩まされることもあります。
この頃から、睡眠のリズムも少しずつ「夜型」に傾く傾向が。
特に女子は男子よりも平日に十分な睡眠がとれず、休日になると起床時間が遅くなるというデータもあります。
学校や習い事で毎日忙しく過ごすなかで、自分のペースを大切にすることが難しくなる時期でもあります。
「眠れない」「朝がつらい」と感じたときは、自分を責めるのではなく、「今はそういう時期なんだ」とやさしく受け止めてあげることが、何よりのセルフケアになるかもしれません。

性成熟期(18歳頃〜45歳頃)
揺れながらも、心とからだが整っていく時期
ホルモンバランスが安定し、女性としてのリズムが整いはじめる性成熟期。
20代から30代前半は、もっとも活力にあふれた時期でもありますが、その分、仕事・恋愛・妊娠・出産・育児など、心身への負荷が大きくなりがちです。
実際に、日本人女性の平均睡眠時間は、20代で約6.2時間、30代で約6.1時間、40代では5.9時間にまで減少する傾向があります。
とくに子育て中の女性にとって、「まとまった睡眠」は夢のまた夢、ということも。
また、30代後半からはエストロゲンの分泌が徐々に減り始め、月経前の不調やイライラ、落ち込み、頭痛といったPMS(月経前症候群)の症状が強くなる方もいます。
「眠れない夜があっても、わたしは頑張っている」。
そう思えるだけで、少し気持ちが軽くなる日もあるはずです。

更年期(45歳頃〜55歳頃)
人生の折り返しに立ち、静かに揺れるこころとからだ
閉経の前後約10年。更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく減少する時期です。
ホットフラッシュ、のぼせ、発汗、動悸、イライラ、不安感……。心とからだがこれまでのリズムから外れてしまったかのように、さまざまな不調が現れやすくなります。
この時期、約半数の女性が「よく眠れない」と感じているという調査も。
とくに夜中に何度も目が覚めたり、寝つきが悪くなったりする「中途覚醒型」の不眠が多く見られます。
「明日も眠れなかったらどうしよう」と眠りに対する不安が募ることで、不眠が慢性化してしまうこともあります。
でも、睡眠だけを整えようとするのではなく、更年期特有の不調そのものをやわらげることで、自然と眠りが戻ってくることもあります。
自分のからだと丁寧に向き合うことが、いちばんの近道かもしれません。

老年期(55歳頃〜)
静けさのなかで、自分らしいリズムを取り戻すとき
閉経後、女性ホルモンの影響は少なくなり、からだのゆらぎは徐々に落ち着いていきます。
けれど、筋力や視力、聴力の低下、骨密度の変化など、加齢にともなう変化は誰にでも訪れます。
睡眠もまた同じように、深い眠りが減り、朝早く目覚めるようになります。
これは自然な老化現象であり、「早く目が覚めてしまうから不眠だ」と心配しすぎなくても大丈夫です。
ただし、寝床で過ごす時間が長すぎると、かえって眠りの質が落ちてしまうことも。
ある研究では、9時間以上の長時間睡眠が認知症リスクを高める可能性も指摘されています。
たとえ短くても、心地よく眠れること。
それが、これからの人生の質を高める、やさしいヒントになるかもしれません。
人生の節目ごとに、わたしたちの眠りは少しずつ変化します。
「最近、眠りが浅いな」「朝すっきりしないな」と感じることがあっても、それは決して“わたしだけの不調”ではありません。
年齢を重ねるたびに、自分に合った眠りとのつきあい方も変わっていくのが、女性のからだです。
がんばりすぎず、眠れない夜があったとしても、「今日はちょっと目を閉じて、からだを休めるだけでもいい」と、やさしく自分に言ってあげられる。そんな夜が増えていきますように。
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